夏に向けて新しい絵を描きました。今度は黒柴です!前回の「柴犬と紫陽花」では水張の工程をメインにご紹介したので、今回は塗る作業を掘り下げてみたいと思います。
ラフを描きます。

ざっくりと。写真は見やすいように濃いめに色を調整しておりますが、実際は着彩の邪魔にならないようにもっと線画の色を薄めています。
まだ不安定な感じもしますが、色を入れれば大体なんとかなってしまいます。今回のようなシンプルな構図で描き慣れたモチーフの場合、線画は適当にざっくりとで大丈夫です。ここで時間をかけるより早く塗ってしまいたいので。
(この絵を描いてから結構時間が経っていますが、最近は下描き段階でクライアント様にお見せしたり、趣味の絵も下描きからアップするようになったので以前よりしっかりわかりやすく線画を描くようになりましたね。自分だけが分かるような描き方では通用しないので、誰が見てもわかりやすいように。)
下描きが終わったら、水張をして乾くのを待ちます。
塗っていきます。
下塗りをします。

「黒」柴なのですが、水彩画の場合「黒」だけで塗るということは基本的にしないようにしています。
というより単色だけ塗って済ませるということはまず無いですね。ベースになる色を塗って、その上から固有色をのせて、また別の色を塗って…と何色も重ねて表現するようにしています。たくさんの色を何回も重ねると色が濁るんじゃないかと嫌う方もいらっしゃいますが、私は複雑な色味の方が好きなので。
(ペン画と組み合わせたり、ファッションイラストのようにあっさり仕上げたほうが良い時には単色をシンプルに塗ったほうが効果的な場合もありますね。ただ動物の毛並みのふわふわとした質感は色を塗り重ねないと表現が難しいかと思います。)
今回の黒柴はベースにブルー系の色を塗っています。赤毛が混じっているような場合は別として、黒はブルーやパープルと合わせて表現すると重くなりすぎず透明感もあって良いと思っています。

黒が入りましたね。柴っぽさが徐々に出てきました。

背景にも色を塗り始めました。メインのモチーフを引き立たせるためにも、背景はあまりきっちり描き込まないようにしています。(背景描くのが面倒くさいという訳ではないのですよ!)ぼわっとした背景が犬のほわほわ感と相まって、より優しい印象の作品になるのではないか、と思いながら描いています。
目にも色が入ってますね。この段階だとあんまり可愛くないですね。目も何色か重ねて塗っていきます。マスキングで白い部分を残すこともたまにありますが、先に色を重ねてから後で色を部分的に水で抜いたりホワイトを入れるパターンが多いです。

背景の向日葵がわさわさしてきました。
この辺りから色鉛筆も併用して一気に仕上げていきます。
完成!

完成しました!色鉛筆で毛並みを描き込むことでさらにほわほわな質感になりました。
おつかれさまでした。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます!
今回はより掘り下げて制作過程をまとめてみました。水彩画は難しいイメージがあるかもしれませんが、こんなに懐が広くて優しい画材はないんじゃないかと思っています。
当方の各SNSにもたくさんの作品が掲載されております。また当ホームページにもギャラリーがございますので、よろしければ是非ご覧下さい。
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